二森(ふたもり)

訪問ありがとうございます…二森欽也

北川景子

北川景子さん

凄く綺麗で出産されても変わらないのは

本当に努力されているんだなって思いました。

これからも頑張ってほしいですね!

 

結婚出産…深いテーマで視聴者層を拡大した北川景子「進化の歩み」
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今クールの恋愛ドラマの中で、抜きん出た人気を誇った『リコカツ』。主演を務めた北川景子への評価も上昇している(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
春クールのドラマが、ぼちぼち最終回を迎えている。 恋愛・結婚をあつかったドラマが5つ並び、主演女優が輝いたクールだったと言えよう。中でも2位に3倍以上の差をつけ、TBS『リコカツ』の北川景子が良かったというネット調査があったが、確かに同作で彼女の評価は上昇している。

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貴重な手繋ぎショット!

 実は北川は、“演技下手”と言われていた。ところがDAIGOとの結婚後、一皮むけた女優に化け始めた。そして今回、さらに新たな境地を拓き始めている。 そんな北川景子進化論を、視聴データから証明してみよう。 ◆結婚前 結婚後 高校在学中にモデルと女優としてデビューした北川景子。 その後、19歳で映画2本に立て続けに出演し、20歳でハリウッド映画にも出た。さらにテレビの連続ドラマにも出るようになり、人気を不動のものとしていった。 例えば’09年の山下智久主演『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』。コテコテの恋愛ドラマだったが、初々しい演技の北川は、「美男美女のお似合いカップル」「可愛すぎてキュンっキュンした」など、多くの視聴者の心を鷲づかみにした。 ’11年の櫻井翔主演『謎解きはディナーのあとで』。端正な顔の北川が華麗にドレスアップした姿は、「本物のお嬢さまのよう」「櫻井翔に貶されてムキになるところは最高に可愛かった」など、コメディの可能性を示す1作となった。 そして’14年の木村拓哉主演『HERO』第2シリーズ。検事らしからぬキムタクとコンビになったが、ツンツンした事務官ぶりと元ヤンキー口調とのギャップが評判だった。「松たか子とのヒロイン交代で見るかどうか迷ったが、新しい面白さがあった」「知的美人なので役にもすんなりハマって、いい意味で期待を裏切ってくれた」など、評価は一段と上がった。 かくして人気を不動のものとした北川。「絶世の美形」「完璧すぎて非の打ち所がない」「なりたい顔No.1」「横顔美人第1位」「美人だと思う女優ベスト3の常連」など、さまざまな形容詞をものにしていった。 ところがネガティブな声もないわけではなかった。 「セリフ棒読み」 「オーバーリアクションで不自然」 「何をやっても北川景子」 「目を見開く顔芸」 など、若いころは「演技が下手」…というイメージが付きまとっていたのである。 ところが’16年にDAIGOと結婚した後、北川はさらなる進化を始める。少なくとも主役を務めるようなったドラマの視聴データをみる限り、その痕跡が見て取れる。

今クールの恋愛5ドラマ
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写真:FRIDAYデジタル
今期は恋愛や結婚にまつわるドラマが5本、GP帯(夜7~11時)に並んだ。 『リコカツ』の北川は、『恋はDeepに』石原さとみ、『着飾る恋には理由があって』川口春奈、『大豆田とわ子と三人の元夫』松たか子、『レンアイ漫画家』吉岡里帆と対決することになった。 もちろんドラマの評価は、主役やヒロインだけで決まるわけではない。 それを心得たうえで、敢えて5作の視聴データを並べると次のようになる。 ここまでの世帯視聴率(ビデオリサーチ関東地区)だと、『リコカツ』が9.1%でトップ。 2位は8.4%の『恋ぷに』(※『恋はDeepに』、以下同)、3位8%『着飾る恋~』、4位6.2%『まめ夫』、5位5.4%『レンアイ漫画家』となった。 ただしスイッチ・メディア・ラボが調べる層別の個人視聴率だと、もう少しドラマの見られ方が詳細にわかる。 まず恋愛ドラマだけに、女性より男性の数字が低い。では女性の中では、若年層で『恋ぷに』と『着飾る恋~』が高く出た。ストレートな恋愛物語に若い女性が反応したようだ。 注目は50~60代女性および60代男性で『リコカツ』が断トツ1位となった点。 結婚生活の在り方を問い、かつ熟年離婚が飛び出したために、中高年の心に響いたようだ。そのことはコア層(13~49)歳で「結婚に関心ある層」で、『リコカツ』がストレートな恋愛物語の2ドラマと肩を並べた点を見てもテーマの奥深さを感じさせる。 結果として「映画・ドラマ好き」層でも好成績となった。5ドラマの中で、20~30代で3位・40~50代で1位は、北川が良作に恵まれたことを示すと言えよう。 さらに興味深いのは、「美容・ファッションに関心」層(20~30代)でも強いこと。 この項目は主演女優の評価に左右されることが多いが、『恋ぷに』石原さとみと並び、北川景子が全体を引っ張る形となった。
これまで4作の軌跡
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写真:FRIDAYデジタル
トレンディドラマのヒロインとして評価を高めた北川が主役となって進化した様子は、出演したドラマの特定層含有率の変化でもトレースできる。 含有率とは、各ドラマの個人視聴率全体を1とした場合の、特定層個人視聴率を割合で示したもの。視聴率は作品によって多寡が異なるので、どんな視聴者が比率的に多かったかを比べるのに使う。 これで’15年『探偵の探偵』以来の主演作4作を比べてみよう。 まず今作で際立ったように、F3(女性50~64歳)の比率が右肩上がりな点。F2(女性35~49歳)こそ微減だが、F1(女性20~34歳)は逆に微増だ。若年層の支持をキープしつつ、中高年へと視聴者層を広げてきたことがわかる。 「映画・ドラマ好き」層(女性20~30代)の動きも重要だ。 結婚後の主演第1作『家売るオンナ』で急上昇した。「棒読み」「オーバーリアクション」「目を見開く顔芸」などのネガティブは評価を逆手にとって、機械的で無表情なキャラクターとしたコメディだった。これが功を奏して、視聴率も11.6%と好調で、北川の新境地を拓くドラマとなった。 その続編となる『家売るオンナの逆襲』も質量ともに好評価を維持した。 そして今作『リコカツ』では、中高年へと視聴者層を拡大しつつ、「結婚に関心」層(13~49歳)をぐっと増やした。テーマとしてこれまでにない深い領域を掘り起こした賜物で、北川としては年齢に相応しい良作に出会っていると言えよう。 そして忘れてはいけないのが「美容・ファッションに関心」層(20~30代)。34歳の出演でも、美容・ファッションのリーダー的存在として若い女性を集めている。稀有な才能の持ち主である証拠だろう。 いかがだろうか。若年層の美しさへの憧れの対象となりつつ、トレンディドラマから結婚や人生など深いテーマに絡む物語へと転身も果たし、結果として中高年の視聴者も魅了するようになっている北川景子。 まだまだ続く彼女の進化がどこに向かうのか、楽しみな俳優と言えよう。 文:鈴木祐司(すずきゆうじ) メディア・アナリスト。1958年愛知県出身。NHKを経て、2014年より次世代メディア研究所代表。デジタル化が進む中で、メディアがどう変貌するかを取材・分析。著作には「放送十五講」(2011年、共著)、「メディアの将来を探る」(2014年、共著)。